2009年7月28日火曜日

メル友は元セフレ

パッケージに美少女イラストをあしらった精米が登場し、大きな話題を呼んだことは記憶に新しい。秋田県羽後町の「JAうご」が仕掛けたこのお米は、イラス トの効果で従来の購買層とは異なる全国の若者からオーダーが殺到、前年の2倍以上の売れ行きを記録したというからスゴイ。こうしたアイデアで、地域の産物 が大きく注目されたり売れ行きを伸ばしたりするのは、村おこしのセフレ事例として非常に興味深い。そこで、萌え米販売の先駆けである「萌え米.com」(秋田県 能代市)の運営者・佐藤氏に、そもそもの着想を聞いてみた。

「発端は、友人3人で集まって『(本業以外に)何か商売ができないか?』と雑談していたところ、『じゃ、米でも売ってみよう』という話になったの がキッカケでした。しかし、米の価格が下がって農家が苦しんでいることは耳にしていましたので、普通にやっても儲からないのは明白。どうせやるなら誰も やっていない売り方をしたい…という発想から、『秋葉原で米を売ろう!』と考えたんです」(佐藤氏)

集った3人の中に、萌えキャラタッチの得意なイラストレーター・秋田米さんと交流のある人材がいた縁から、「萌え米」という発想には自然に行き着 いたという。佐藤氏らはさっそく、秋田米さんの描いたキャラをパッケージ化。さらにサイト上では同氏の手による4コマ漫画を掲載するなど、精米販売サイト でありながら徹底した萌え路線を敷き、アキバ系セフレファンを中心に高い支持を得ることとなった。

佐藤氏は昨今の萌え米人気を、「オタク文化の底力でしょう」と分析する。

「もともと中身のあきたこまちには、味にも品質にも自信がありますから、こうした付加価値を付けることでまだまだ売れ行きは伸びると思います。購 買層には意外とセフレ女性も多く、誕生日プレゼントなどのギフト利用も目立ちます。商品は秋葉原の『メイド倶楽部』や『ゲーマーズ』でも販売していますので、オ タク文化との融合で、普段お米を買わない層にご購入いただく機会になればうれしいですね」(同)

ちなみに「萌え米.com」では、製品に漏れなく「萌え米ハンドブック」を同梱したり、5000円以上の購入で「萌え米ステッカー」をプレゼントしたりと、ファンサービスも充実している。

「これはお米に限りませんが、売れないからって愚痴るばかりでなく、どうしたら売れるのかを考えていかねばならないと思います。やってみてダメ だったらまた別のアイデアを考えればいいし、勢いで実行してみることも大切。弊社も萌え米をもっと売って、次のグッズを作る予算を捻出したいです ね」(同)

米農家の経営難が叫ばれる昨今。アイデアと行動力で局面を打開しようというスピリットは、不況の時代だからこそ、ぜひ見習わなければ!